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復興は平和の礎(石原氏と天罰)

2011316&19

宇佐美 保

 

 今回の東北地方・太平洋沖大地震で犠牲になられた方々にお悔やみ申し上げ、また、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 

私は、被害の甚大さに驚愕して腰を抜かし、被害者の方々のお役に立てない無力さから、パソコンへ向かう気力も失せてしまいました。

 

 しかし、石原氏の「津波は天罰、我欲を洗い落とす必要」との発言を知り、再度腰を抜かした結果、立ち上がり停電の中、充電されたノートパソコンに向かい、ほぼブラインドタッチ状態で本文を書き始めました。

(でも、1時間ほどで、バッテリーが切れてしまいました)

 先ず、その問題発言の掲載された記事(毎日新聞3月15日)を次に引用させて頂きます。

 

 

東日本大震災:石原知事「津波は天罰」

 

東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災に関連し「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」と発言した。蓮舫節電啓発担当相から節電への協力要請を東京都内で受けた後、記者団に語った。多くの犠牲者が出ている災害を「天罰」と表現したことが、被災者や国民の神経を逆なでするのは確実だ。

……

(以下は、文末の(補足)に掲げます)

 

 

 このような発言を平気で行う石原氏は、次のような発言も平気で行う人物だと存じます。

 

 「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。戦争を利用して、我欲を一回洗い落とす必要がある。
積年たまった日本人の心のあかをね。「国益」の為に戦争は必要と思う。戦争被害者の方々、かわいそうですよ」

 

 石原氏には、“自分たち選民のみが生き残り、優雅な生活を謳歌出来れば良いのであって、
一般人は自分たちとは別の人種で、彼らがどんな犠牲を強いられ、亡くなろうが、英霊として靖国神社に祀れば彼らは浮かばれるんだよ”

 

 

朝日新聞(2011314日)には、次のように書かれています。

 

 

「大震災は天罰」「津波で我欲洗い落とせ」石原都知事

……

 石原知事は最近、日本人の「我欲」が横行しているとの批判を繰り返している。

……

 

 

 確かに、スーパーでは、一日でも消費期限が遅い商品を商品棚を引っ掻き回して買わんとする方が沢山います。

 

それでも、 多くの方々は、先の拙文《私の一番好きな事》にも書きましたが、私が道を譲ると、素敵な笑顔を返して下さいます。

 

 更に、テレビ(20110316日)では、次の話を紹介していました。

コンビニのレジの長い列のその中で、お菓子を持って待っていたお子さんが、いざレジの番になった時、レジのテーブル上に置かれた募金箱を見て、お金(多分お菓子代)を、その募金箱にいれ。お菓子を棚に戻し、コンビニを出て行ったそうです。

そして、コンビニの方がそのお子さんに“ありがとうございました” との声をかけられたそうです。

 

 

 このような素敵な人たちに対して、何故石原氏は、“「我欲」が横行しているとの批判を繰り返している”のでしょうか?!

 

 

「我欲」を最大限に発揮されておられたのは、石原氏ご自身ではありませんか!?

知事の地位を乱用してご子息への多大な便宜を図ったりされ、「我欲」が横行しているのは、石原氏ご自身並び氏の周辺に居られる方々ではありませんか!?

 

 

 石原氏は、地震発生の十数分前に、都議会本会議場で、四月一〇日実施の都知事選挙への立候補を次のように表明したとの事です。

(週刊金曜日:2011.3.18号より引用)

 

「私はすでにかなりの高齢であり、かねがね自らの心身の衰えを感じております。ゆえに、長きにわたっての逡巡・呻吟の末に今回それを押して、あえて知事選への出馬を決心いたしました。

 その理由は、今日、国民の多くが感じている国家破綻への危機感のゆえにであります。現今の国の政(まつりごと)の混乱・停滞を眺めれば、この日本の命運は、恐らくこの数年間で決められると思います。

 それを控えて、日本の心臓部であり、頭脳部であるこの東京が混乱し破綻することは、国家の喪失につながりかねません。

 過去一二年問、都政は多くの成果を得たと思います。これは知事である私にとって政治家としては欣快、男子の本懐であります。日本という国家の命運を支えぬくために私たちはそれを失うわけにはいきません。

 私自身の心身の限界はありますが、身命を賭して最後のご奉公を致すべく決心を致しました」

 

 

 何故今更石原氏が立候補?

週刊金曜日の記事は次のように続きます。

 

石原氏が一度は立候補せずと喧伝されながら「変節」した最大要因は、花輪智史都議会議員(世田谷区選挙区選出)の、民主党からの造反である。

 花輪議員は四月の世田谷区長選拳に立候補する予定で、ある民主党の都議会議員は「花輪は区長選拳への自公応援のニンジンをぶらさげられ、民主を裏切ったんだ」と解説する。

 この造反劇により、都議会の勢力図が変わった。……六三対六二で知事与党が本会議で過半数を占めることとなった。

 その結果、三月一一日の本会議では、「中央卸売市場会計予算」こと築地市場の豊洲への移転予算案が、過半数で可決された。この「地殻変動」が石原氏の気持ちを大きく揺さぶった。

 

 

 何故、石原氏は、「築地市場の豊洲への移転」に執着するのでしょうか?!

なにやら「我欲:利権」の匂いが漂ってきませんか?!

 

石原氏は“「我欲」の横行”の排除を御自身周辺、更に、都の財政からも排除して頂きたく存じます。

 

 

その為には、

先ずは、築地市場の豊洲への移転」を撤回してその予算を震災復興に差し出すべきです。


そして、「豊洲」関しては、次の東京新聞2011317日)の記事もご参照ください。


築地移転先、地震で弱点露呈 豊洲が液状化

 築地市場の移転が予定されている東京都江東区の豊洲地区が、大地震の影響で液状化に見舞われている。市場移転経費を含む都の新年度関連予算案は先日、都議会で成立した。だが、土壌や地下水が有害物質で高濃度に汚染された旧東京ガス跡地に「都民の台所」を造ることに反対の声は根強い。四月の都知事選の争点にも再浮上する中、液状化現象は移転計画も流動化させるのか。


石原氏の「日本の心臓部であり、頭脳部であるこの東京」との言葉は、
「東京が心臓部、頭脳部、東京以外の地方は手足」につながり、
余りにも東京以外の地方に対する配慮が欠如しています。

 

東京都の平成23年度予算の歳入六兆二千三百六十億円の内、法人二税は13010億円で、法人二税に関しては、朝日新聞20071029日)には次のように書かれております。

 

 

 企業が都道府県や市町村に納める地方税で、法人住民税と法人事業税の2税がある。企業の規模や法人所得などに応じて課税され、事業所が複数の都道府県にまたがる場合、従業員数などを元に分割。07年度は全国で9.6兆円が見込まれ、税収の4分の1が多くの企業が集まる東京都に偏る傾向がある。

 

 

このように、都の税収と言っても、言い方を変えれば「地方へ行くべき税金を都が横取りしている」とも言えるのですから、「築地市場の豊洲への移転」予算は被災地復興費用への切り替えを、都民の一人としての私は切望します。

 

 

更には、

都の基金には、「東京オリンピック・パラリンピック開催準備金」の平成23年度末残高として、
4千百五十三億円が見込まれております。

(都民の誰がオリンピック東京開催に賛同しているのでしょうか?!)

この基金も直ちに、被災地復興費用に充当して貰いたいものです。

 

 更に、

都の予算を見ますと、「都市機能を向上させるインフラの整備」が、2750億円が計上されています。

この予算からも、その一部(或いは大半)を、被災地復興へ回して貰いたいものです?!

 

そして、石原氏は都政から身を引いて頂きたいものです。

 

 

 

付け加えますと『週刊ポスト(2001.4.1号)』には、佐野眞一氏(ノンフィクション作家)が次のように述べて居られます。

 

……

 私は地震発生の当日、新聞各社にコメントを頼まれ、石原慎太郎の都知事選への立候補表明をテレビで見ていた。石原は気力も体力とも自信はないと認めた上で、しかしこのままでは国家破綻の危機である、と幕末の志士気取りで語っていた。

 その十数分後に発生した地震に対して、石原の言葉が符丁したように感じた人も多かったかもしれないが、それは大きな間違いだ。今後、大災害に乗じてこのような言説がはびこることには」細心の注意を払っていなければならない。

 案の定、石原はそれから数日後、「地震は慾にまみれた日本人への天罰」という正気とは到底思えぬ発言をした。こんな品性下劣な男を、われわれ日本人は首都のトップに12年問も祭り上げてきたのである

……

 

 

ところが残念なことに、我が都民は恥ずかしい事に、この「品性下劣な男」まだあと4年(合計16年)都知事に祀り上げる積りなのです。

何しろ、今日放送された「朝日ニュースターの番組パックインジャーナル」で、次の都知事に対する世論調査では圧倒的に石原氏が有利と伝えて居りました。

 

 

私には、不思議でたまりません。

何しろ、私の周辺には、石原氏を支持する人はいません。

でも、納得せざるを得ない事を見にします。

今日もスーパーに買い物に行ったら、牛乳も、お米も買い占められた、棚はがらんとしていました。

 

 

この現実を目の当たりにすると、石原知事の“最近、日本人の「我欲」が横行している”との批判に頷かざるを得ません。

 

ですから、石原氏は、ご自身が都知事に立候補せずに、御自身の「品性」を磨かれ、このような“「我欲」まみれの方々”の「品性」を引き上げるべくご尽力される事を期待せずには居られません。

 

 

 

(補足)

 

冒頭の毎日新聞記事の続き

 

 

 石原氏は「天罰」発言の前段として「去年一番ショックだったのは、おじいさんが30年前に死んだのを隠して年金詐取する、こんな国民は世界中に日本人しかいない。日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった」と述べていた。また「残念ながら無能な内閣ができるとこういうことが起きる。(95年の阪神大震災の際の)村山内閣もそうだった」とも語った。……

 

 

 今、東京で蔓延している買占めは、都民が行っています。

そのトップは誰ですか?!

石原氏ご自身ではありませんか!?

石原氏が「無能」、又、「品性下劣な男」だからではありませんか?!

 

 

 

 ◇石原氏「受け止め方の問題」

 「天罰」発言について石原氏は、14日夕に都庁で行った記者会見で「『被災された方には非常に耳障りな言葉に聞こえるかも』と(前置きで)言ったんじゃないですか」などと釈明したが、実際には発言していない

 

 発言の真意については「日本に対する天罰ですよ。これをどう受け止めるかという受け止め方の問題なんですよ。大きな反省の一つのよすがになるんじゃないですか」と持論を展開。「それをしなかったら犠牲者たちは浮かばれないと思いますよ」と述べ、撤回しない考えを示した。

 

 

 

被災された方には非常に耳障りな言葉に聞こえるかも』と前置きしようがしまいが
否! 前置きしての発言だとしたら、尚問題です。
苦しんで居られる方に対して、「耳障りな言葉に聞こえるかも」しれないと意識しつつ、
その言葉を平気で吐かれ、撤回しない石原氏は「品性下劣な男」そのものです

このような品性下劣な男こそが平気で私達一般人を戦場に送り出すのでしょう!

 

 

ところが、さしもの石原氏も、宮城知事が不快感を表明されると、次の記事(朝日新聞 2011315日)に有りますように、発言を撤回したそうです。

 

「塗炭の苦しみ考慮を」 石原知事に宮城知事が不快感

 

. 東京都の石原慎太郎知事が東日本大震災に関して「やっぱり天罰だと思う」などと発言したことに対し、被災地・宮城県の村井嘉浩知事は15日、「塗炭の苦しみを味わっている被災者がいることを常に考え、おもんぱかった発言をして頂きたい」と不快感を示した。同日午前の災害対策本部会議の後、報道陣の質問に答えた。県内では、約31万人が避難生活を送っている。

 

 

 本当に、私達都民は、こんな石原氏を都知事に担ぎあげるのでしょうか?!

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